SPMで簡単にできる[飛び出すアナグリフ]作成

[飛び出すアナグリフ]は、赤青メガネで、正面上方45度より40cm程度の距離で見ると、リアルに立体物があるように見える少し特別な立体画像の事です。
詳しい説明は、こちらをお読み下さい。
stereoeyeさんのホームページにも[飛び出すアナグリフ]作品が展示されていますので、初めての方は、ここにある[飛び出すアナグリフ]のサンプルを印刷して、赤青メガネで鑑賞してみて下さい。きっと、そのリアルさに感激できると思います。

[飛び出すアナグリフ]の仕組みは、立体物を正面上方45度の角度からステレオ撮影し、その画像の遠近感(遠くが小さく見える現象)を、画像処理することで、あたかも真上から撮影したように編集します。PhotoshopやIllustratorを使えばできるのですが、結構難しい作業となります。

そこで、SPMで、誰でも簡単に[飛び出すアナグリフ]を作成できる機能を紹介します。

操作イメージは、こちらの動画をご覧ください。
動画01 , 動画02

Ver4.39cから、四角の白紙の上に立体物を置いて撮影した時に、背景の白紙を自動で検出する機能を追加しました。
操作イメージは、こちらの動画をご覧ください。

このページの説明で使ったオリジナルの立体写真は、こちらからダウンロードできます。実際に同じ操作をしながら読むと理解しやすいと思います。
出来上がった[飛び出すアナグリフ]は、こちらからダウンロードできます。

1. 立体物を正面上方45度の角度からステレオ撮影します。
この時、立体物を、方眼紙等の正方形もしくは、縦横比の判った長方形のシートの上に置いて撮影すると、後で簡単に[飛び出すアナグリフ]
を作成できます。

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2. SPMで撮影した写真を読み込みます。

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3. 左右画像の対応する点を4ケ所、指定します。
1ケ所毎に、[メニュー]→[調整]→[簡単飛び出すアナグリフ作成]を選び、指定していきます(計4回)
4回メニューから選ぶのは、大変ですので、ショートカットキー(Alt+F)を使うか、ツールボタンを追加して、ツールボタンを使用する
ことをお勧めします。
ツールボタンの並んでいる一番右側の何も無い所でマウスをダブルクリックすると、ツールボタン編集画面が表示されますので、
[簡単飛び出すアナグリフ作成]を追加すると、一番右側に[Fnt]ボタンが追加されますので、このボタンを押して、次々に、対応する点
を指定していって下さい。もちろん、ショートカットキー(Alt+F)を使っても良いです。


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4. 画像を実画像サイズ([J]キーを押す)に拡大すると、精度良く指定できます。
画像をマウスでドラッグして、指定したい所を表示させた後、上述の[簡単[飛び出すアナグリフ]作成]を選択し、まず、最初の
左右の対応する点を、マウスで左右二カ所クリックします(下の写真参照)。
2カ所の指定が終わると、左下の情報エリアに、「飛び出すアナグリフ 1/4 ...」と表示されます。
なお、指定する順番は、左右どちらを先に指定してもかまいません。



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5. 二番目の点を指定します。指定が終わると、左下の情報エリアに、「飛び出すアナグリフ 2/4 ...」と表示されます。
左右どちらか一方の点を指定した後、「ESC」キーを押すと、その指定をキャンセルできます。
左右両方の点を指定した後、「ESC」キーを押すと、全てキャンセルされますので、最初([飛び出すアナグリフ] 1/4)からやり直して
下さい。
続けて、3番目、4番目の点を指定していきます。
この時、4つの点が、上述のように、正方形もしくは、縦横比の判った長方形を指定すると、簡単に精度の良い[飛び出すアナグリフ]
が作成できます。

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6. 4ケ所、指定すると、下の編集画面が表示されます。指定した点は、[+]で表示されます。

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7. このケースでは、25cmx25cmの正方形の四隅を指定していますので、[指定ポイントが正方形]を選択するだけで、下のように
高精度に自動で[飛び出すアナグリフ]を作成してくれます。
例えば、A4用紙(210mmx297mm)の上に立体物を載せて撮影し、用紙の四隅を指定した場合は、縦横比に [210 : 297]を入力
し、[指定ポイントが長方形]を選択すれば、同様に、真上から撮影したように、用紙が210:297になるように自動で[飛び出すアナグリフ]
を作成してくれます。

このように、正方形や長方形が背景に無い場合は、[角度を指定する]を選択し、スライダーで角度を変えて、一番見やすい
設定を探して下さい。角度調整は、単純に画像の傾きを修整します。パース角度は、斜め前方から撮影した写真をあたかも
真上からみたように、遠近を修整する為の角度設定です。45°から前後に振ってみて良い角度を探して下さい。
より詳しい説明は、こちらをお読み下さい

指定が終わったら、左下の[OK]ボタンを押します。

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8. [F]キーを押して、ウィンドウサイズで表示します。

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9. [メニュー]→[ステレオ形式]もしくは、ツールボタンで、アナグリフ表示にします。
必要に応じて、 [メニュー]→ [編集]→ [トリミング]もしくは、ツールボタンで、画像をトリミングします。


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10. 出来上がった画像を保存する場合は、[JPEG圧縮によるゴースト除去]をチェックし、画像品質を高めにすることをお勧めします。

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11. 出来上がった画像をカラープリンターで印刷し、下のように、赤青メガネで、正面上方45度より40cm程度の距離で見ると、
本当に、そこに立体物があるように見えます。


背景の矩形自動検出の使い方

コピー用紙等の四角の白紙を茶色い床やテーブル等、濃いめの平面の上に置き、その紙の上に立体物を置いて、撮影すると、白紙の四隅を自動検出しますので、いちいち、4カ所の位置指定する必要がなく、より簡単に[飛び出すアナグリフ]を作成できます。
注意点は、白紙とその周りの色の差が大きくなるような場所を選ぶ事と、白紙の外周が全て見える状態で撮影することです。高さのある対象物の場合、白紙の上にかかると、全く自動検出できません。
自動検出できない場合は、上述の方法で、四隅をマウスで指定して下さい。

自動検出用のサンプル画像をここに置いておきますので、必要に応じてお試し下さい。
p1000206.mpo
p1000208.mpo
p1000209.mpo
p1000212.mpo
p1000213.mpo
p1000214.mpo
p1000215.mpo
p1000216.mpo
p1000217.mpo
p1000218.mpo
p1000219.mpo

1. 撮影したステレオ画像を読み込みます。


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2. [メニュー]→[調整]→[矩形領域自動検出]を選択するか、[Alt+G]キーを押します。

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3. 自動検出できない場合は、下のダイアログが表示されますので、自動検出は、あきらめて、上述の4点を指定する方法にして下さい。
(注意)白紙の外周が全て見える状態でないと検出できません。高さのある物を撮影する場合は、白紙の上からはみだす事が
ありますので、ご注意下さい。

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4. 自動検出できると、下のようなダイアログが表示されます。 
うまくいかない場合は、深追いせず、4点指定する事をお勧めします。

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5..後は、4点指定した時と同様、A4用紙であれば、縦横比を210:297にして、「指定ポイントが長方形」を選び「OK」ボタンを
押します。以降の操作は、上の4点を指定する方法を同じです。



「角度を指定する」モードの使い方

背景に、正方形や長方形が無い場合は、[角度を指定する]を選択し、スライダーで角度を変えて、一番見やすい設定を探して下さい。
具体的なやり方は、下記をご参照下さい。

1. 「角度を指定する」を選択する。


2. [角度(上)]は、上の二点の角度を調整します。上下、同時に角度調整したい場合には、
[左右を同期して調整]をチェックしてください。この時、[グリッドの表示]をチェックしておくと
調整しやすいと思います。

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3. [角度(下)]は、下の二点の角度を調整します。

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4. [パース角度]は、対象物を真上から見たように、遠近を補正します。縦の平行線があれば、その線
が平行になった位置が正しいパース角度になります。パース角度は、カメラの焦点距離によって変わり
ます。45°から撮影しても、パース角度を45°にすれば良いとは、限りません。参考程度にしてください。
何も目標物が無い場合は、赤青メガネで確認して良さそうな値を見つけて下さい。

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5..最後[横シフト]は、角度やパース角度を合わせた後、上の例のように、多少、平行四辺形のように
上下の位置がずれる場合に、上の二点を横にシフトすることで、補正します。
これも、目標物が無い場合は、赤青メガネで確認して良さそうな値を見つけて下さい。



皆さん、頑張って、カッコいい[飛び出すアナグリフ]を作って下さい!